- 事件の最小単位:
- 事件種別: 特別背任、詐欺(未遂含む)、強要、不当利得返還請求
- 法的根拠:
- 会社法 第960条(特別背任): 取締役が自己の利益を図り、会社に損害を与える行為。
- 民法 第703条(不当利得返還): 法律上の原因なく受けた利益の返還義務。
- 会社法 第356条(利益相反取引の制限): 株主総会等の承認なき自己取引の禁止。
- 二段階要約:
- 一言解説: 1.2万台の架空取引で6000万円を自社へ還流。元取締役の清田氏を提訴。
- 概要: JUSTICEYE社の元取締役・清田英輝氏が、自身が代表を務める「株式会社グリンク」に対し、株主総会の承認なく約6000万円の不当なインセンティブを支払わせた。1.2万台に及ぶデバイスの「出荷偽装」や「寝かせ販売」による粉飾決算スキームが発覚。同社は清田氏を刑事告訴し、6001万500円の返還を求め提訴した。
1. 事件の本質
企業統治を根底から覆す「禁じ手」が、一人の取締役によって実行された。株式会社JUSTICEYEの元取締役・清田英輝氏は、自らが代表取締役を務める株式会社グリンクに対し、会社の承認を得ないまま巨額の資金を還流させていた。これは、取締役の忠実義務を著しく逸脱した「利益相反取引」であり、実体のない売上を捏造して会社資金を搾取する、極めて悪質な組織的背信行為である。
2. 証拠と事実の深掘り
- 物証の提示:
同社の内部調査により、総計約1.2万台(約2億円分)のデバイス取引において、大規模な「出荷偽装」が確認された。特に3,000台分については物理的な出荷すら行われていない「完全な架空取引」であり、N-1審査(上場審査)を欺くための「寝かせ販売」の実態が帳簿および物流ログから裏付けられている。 - 時系列の整理:
- 2022年9月末まで: 清田氏主導により、グリンク社へ約6000万円が支払われる。
- 不正の露見: 現経営陣の精査により、支払われたインセンティブの大半が契約条件を満たさない不正なものであることが判明。さらに約1.4億円の追加請求も試みられたが、未遂に終わる。
- 刑事・民事の着手: 清田氏が返還を拒否したため、特別背任および詐欺容疑での刑事告訴と、6001万500円の返還を求める民事訴訟が提起された。
- 解像度の向上: 清田氏は、JUSTICEYE社の取締役でありながら、契約相手(グリンク社)の代表という「一人二役」の立場を利用し、チェック機能を無効化。自己の利益を最優先させ、会社の財産を私物化した疑いが濃厚である。
3. 背景と構造の分析
- 手口の定義: 「未承認利益相反取引による資金搾取」。
会社法が厳格に禁じる「取締役と会社間の取引」を、株主総会の承認を経ずに強行。さらに「インセンティブ」という名目で、実態のない出荷台数に基づき金員を還流させる手法は、典型的な特別背任の構造を持つ。 - 制度的欠陥の指摘: 上場準備段階における取締役の権限集中が、不正の温床となった。清田氏は「営業取締役」としての立場を悪用し、自社に有利な契約と架空の売上実績を捏造することで、JUSTICEYE社から組織的に資金を吸い上げるスキームを構築していた。
4. 争点と反論
- 当事者(清田英輝氏・グリンク社)の主張: 清田氏は現時点で、本件取引の違法性を全面的に否定している。インセンティブの受領は正当な業務の対価であり、不当利得には当たらないとの強硬な姿勢を保ち、返還を拒絶している。
- 証拠に基づいた再反論: しかし、3,000台の出荷偽装(実体なき売上)という客観的事実がある以上、「正当な対価」との主張は論理的に破綻している。また、会社法356条に定められた利益相反取引の承認手続きを欠いている事実は、それ自体が民事上の任務懈怠(会社法423条)を構成し、刑事上の特別背任罪(同960条)を強力に推認させる。
5. 社会的示唆と今後
本件は、IPO市場の健全性を著しく損なう重大な事件である。取締役自らが詐欺的スキームに関与し、会社を食い物にする行為は、投資家保護の観点からも断じて許容されない。JUSTICEYE社が「膿」を出し切るべく、自ら元取締役を刑事告訴・提訴した決断は、ガバナンス正常化への強い意志を示すものである。
- 今後の焦点:
- 東京地裁における不当利得返還請求訴訟の判決。
- 受理された特別背任・詐欺容疑に基づく、捜査当局による清田氏の起訴判断。
- 1.2万台のデバイス取引に関与した他の代理店との共謀関係の解明。
【当事者の法的ステータスおよび訴訟概要】
刑事事件(受理済み)
- 特別背任容疑: 清田 英輝(元取締役)
- 詐欺(未遂含む)容疑: 清田 英輝(株式会社グリンク 代表取締役)
- 強要・脅迫容疑: 清田 英輝
民事事件(東京地方裁判所)
- 不当利得返還訴訟: 請求額 60,010,500円(被告:株式会社グリンク 代表取締役 清田英輝)
- 取締役任務懈怠責任追及訴訟:(被告:清田 英輝)
被告訴人・被告プロフィール
- 清田 英輝: JUSTICEYE元営業取締役。株式会社グリンク代表。同社の営業中枢にありながら、自社(グリンク)への不適切な利益誘導と売上偽装を主導した疑い。
【注釈】
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